『新聞集成/明治編年史』第十三巻 p438に、東京二六新聞6/17の記事あり。
獣慾の為に、哀れ幸田エン子の一命を奪ひたる兇漢池田亀太郎を、出歯亀と綽名する処より、彼に類する行を為す者は誰でも出歯亀といひ、二代目三代目と云ふやうになりて、中には怪しかる挙動を為す事を出歯るなどと洒落て動詞に用ひるものなど出来たるが、同人の公判開かるるに及びて、同人の人相が公衆の前へ晒されて、さまで目立つといふ程にもあらぬ歯を出歯という綽名如何にも訝しと疑ひを懐く者少からざるが、さる出歯亀のいふ所によれば此奇妙なる綽名の出所には都合三説あるがごとし。即ち第一説には亀太郎は何事にも妄に口を出したがる癖あり、何にでも出張りたがるより出張亀の称ありといひ、第二説には同人の歯は普通いふ如く少し出て居るに起因せりといひ、又亀太郎は性質頗る短気に且荒けなく、事あれば妄に出刃三昧を為すより、出刃亀といふなりとの三説なるが、亀の妻スヾ其他同人を親しく知れる人々の説を綜合すれば、第一説最も有力にて出歯亀は出張亀の訛伝なるが如し。
(原文の旧字を新字にした)
法廷で弁護士が「この被告出歯亀」をしきりに連発しとする。
コメント(1)| Track back(0) | 2005-03-08 21:47:39
| ■ Unknown | |
| トラックバック、有難く存じます。 当時の新聞記事を読むことがかなって、たいへん嬉しく存じます。ところで、「交差語源」の可能性には思い至りませんでした。また、いろいろと学ばせていただきます。 | |
| Tashima (2005-03-10 01:31:01) |
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