[日本語の語源説]

あんこう【鮟鱇】

平野雅章『たべもの語源考』p17に、

呼び名の語意はいたってかんたんで「暗愚魚《あんぐうお》」のことで、呼び名は、その音便です。暗愚はいわずと知れた「のろま、馬鹿者」のことであり、方言で「アンゴ」というところは多い。

とある。

【評価】
「方言で「アンゴ」」というのが、鮟鱇のことなのか「のろま、馬鹿者」のことなのか、平野氏の意図がやや分かりにくいが、実際には両方ともある。
山田俊雄(1953)「漢語研究上の一問題―鮟鱇をめぐって―」『国語と国文学』30-11(有精堂『論集日本語研究 中世語』収録)でも、
アンカウ・アンガウ・アンゴ・アンコウいづれの形でも行なはれてゐた語が、「愚か」といふ意味で、人にも、山椒魚にも、鮟鱇にもいはれてゐて、たまたま文字の表記では、いかめしく鮟鱇・鮟鯱・暗向・又は安口などと定着せられたに過ぎぬのではないか。
とする。

しかし、平野氏の「暗愚」は新しそうな語(『日本国語大辞典』では『弓張月』から)なので、語源として考えるのは難しかろう。

コメント(0)| Track back(0) | 2005-03-10 01:05:18

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